[治癒した症例と経過]

K.A. 70歳 女性

 私が最初に経験した症例です。平成2年10月、激しい回転性“めまい”を初めて起こした患者さんを往診しメイロンの注射、メリスロン、セファドールを与えましたが、20日間めまいの為、離床出来ませんでした。21日目からゾビラックスを投与したところ3日目から離床でき、食事が出来るようになった。患者さんは確かにあの薬が効きましたと言ったが、私自身も半信半疑でした。ひよっとしたら効くかも知れないと思って投与したことが現実になったのです。結局10日間ゾビラックスを投与してあとは、めまいが全く消えたので、今までどうりの薬にしました。一年後再び前回より軽症でしたが、めまいの発作出現し再度ゾビラックス投与ですばやくめまい消失しました。この患者さんは、四年目にして発作出現したが、前回、同様一週間で“めまい”が治まりました。


H.M. 68歳 女性


 昭和55年から15年間メニエール病と診断され専門医の治療を受けていた。年間4〜5回”めまい”発作が出現していたと言う。東京の某大学病院や札幌の総合病院で発作のつど耳鼻科専門医による治療を受けていた。メイロン、イソバイドなど従来の治療では“めまい”が軽快するのに一カ月間を要したいと言う。耳鼻科から神経内科に回され精神分析を受け、簡単な算数の計算させられたと言い、「先生、私、頭が狂ってしまったのでしょうか?」とすっかり自信を失って平成6年2月1日来院しました。2月3日よりゾビラックス投与開始、翌々日に早くも頭位変換による“めまい”が消えましたと再院しました。そして従来にない効果があったと言うのです。9日間ゾビラックス単独投与で治療を完了した。しかし4カ月後および1年1カ月後に再発したが同じ治療で治癒し、その後4年間全く“めまい”の発作なしでしたが平成11年軽いめまいで来院一週間で治まる。


K.I. 48歳 男性 公務員
 症例番号90 

 平成6年6月上旬、起床時、左耳閉感で聴力低下を意識、某耳鼻科に耳管閉塞の診断で通院。やや軽快、めまい発作は、この間一度だけあった。7月上旬、再度耳閉感にて通院するも軽快せず、他の医師を受診するも診断と治療は同じであった。8月上旬になり突発性難聴の診断を受ける。脳神経外科受診するもCT, MRI、異常なしと診断される。8月13日、一日中めまいの発作あり、真直に歩けない状態であった。9月5日メニエールの可能性あると診断され同日当院を受診する。翌日よりゾビラックス2,000mg/日、2週間投与でめまい消失するも耳なりは軽快するも残った。聴力検査の結果は下図に示す (左:治療前、右:治療後) 。





N.K. 17歳  女性  高校2年生
 症例番号 178
 
 平成7年1月授業中坐って居て突然回転性めまいが出現し保健室で1時間ほど休み自然に治まる。その後1週の間に2回同じ発作が有り、某大学病院耳鼻科受診、専門的な検査を受け、「左耳の平衡機能が少し弱っているが、治療法は無い」と言われた。耳鳴りは時には有ったが気になる程ではない。しかし当院受診迄の5ヵ月間“めまい”は日常生活で常にあり、地震のように床が揺れている。自転車での通学は危険を感じて不能になった。“めまい”の激しい日はしばしば学校を休む。メニエールとは診断されていない。平成7年5月8日当院受診アシクロビル2,000mg/日、2週間投与にて、めまい殆ど消える。自転車での通学可能となる。その後平成12年9月現在まで再発していない。


M.H. 44歳  男性
  地方公務員 症例番号 196

 昭和56年床屋で頭を洗い仰向けになった時回転性めまい始まり少しでも動くとめまいあり、6時間でおさまる。耳鳴りなし。その後某大学病院耳鼻科で左前庭神経炎の診断にてレスミット、メリスロンを投与されていた。その後6年間神経科および脳神経外科でハイゼット、ワイパックス、漢方薬、イソバイド等を服用していた。平成7年8月22日当院来院、アンケートには<●対症療法しか無いのでなんとか全治させて欲しい。●発作の原因が判明すれば対策を講じたい。●発作により仕事が出来なくなるのがつらい。●発作が気になり行動範囲が狭くなるのがつらい>と答えている。アシクロビル2,000mg/日2週間でめまい消失したが、7カ月後の平成8年3月17日再発作ありさらに6カ月後の9月12日再々発作出現するも以前の発作の3分の1くらいの強さでそれぞれ2週間投与でめまい消失する。本人はアシクロビルの効果と確信して再投与を希望して来院したのです。


Y.S. 30歳  女性
  独身、無職   症例番号 233
  
 平成5年夏に左耳鳴り(補聴器の音が合わないようなピーと高い音)が3ヵ月続き9月頃より床が揺れたり、ゆがみや波打ち、歩いていても転ぶようになる。平成7年7月より、某内科に1ヵ月入院するも軽快せず、つづいて、某市立病院神経耳科に転医2ヵ月間入院するも軽快せず、ふらふらの状態であったが病院の都合で退院させられた。勿論仕事継続不能で会社に辞表を出し退職する。札幌での一人暮しは出来ず、親元で6ヵ月間暮らしの生活すべては母に頼っていた。平成8年5月13日来院時ふらつき、めまい有り、地下鉄に乗るとめまいが起きるので恐ろしくて乗っていない。アシクロビル2,000mg/日2週間投与、服用5日目に自転車に乗れるようになり、家族の拍手喝采をあびる。7日目地下鉄に乗っても゛めまい”なし。この患者は11月現在、再発なし。

 以下は、上記の患者さんから、平成11年7月、私あての感謝のメールです

七戸先生、はじめまして。 私は、熊本県に住む41歳の会社員です。突然のメールで申し訳有りませんがうれしくて書いています。今月5月(1999年)の連休が終わった10日ごろから、左耳の聞こえが悪いなあと思いながら、約2週間ほどたってA耳鼻科へ行きました。聴力検査をしたところ、左耳だけ低音部の聞こえが悪いことが判明しました(病院で記録されるグラフで40dB程度落ちていたと思います)。 耳鳴りやめまいがなかったため、突発性難聴だと診断を受け、メチコバール錠、 カルナクリン錠、アデホスコーワ腸溶錠とプレドニゾロン錠(ステロイド剤)を1週間飲みました。しかし、プレドニゾロン錠以外を1ヶ月間飲みましたが、ほとんど改善が見られませんでした。

 会社に、同じように低音が聞こえなくなった人がいて、その人が「B耳鼻科に行って、薬と鍼でなおった」言われたので、早速、行きました。聴力検査をしても、5月のはじめと変わらない状況(めまい、耳鳴りなし)でしたので、やはり、突発性難聴と診断され、薬(名称を書いた紙をなくしました)をもらい、その病院へ土曜日だけこられる鍼の先生に鍼治療していただきました。しかし、改善されるどころか耳鳴り(始めは低い音の耳鳴りでしたが、だんだん金属音に変わってきました)とめまいがしだしたため、薬をメリスロン錠、ストミンA錠、ユベラニコチネートに変え、飲み出しました。が、改善されないので、メニエール病ではないかと思い、「メニエール病」で検索したところ、七戸先生のHPに出会いました。ゾビラックスの有効性に驚き、恐る恐るB耳鼻科の先生に印刷した七戸先生のHPを見せました。 「メニエール病ではないと思うが、2ヶ月も改善されないのでやってみましょう」とゾビラックスを処方してもらいまいした。ゾビラックス200mgを6回/日飲みはじめ、2日目に耳鳴りがかなりひどくなり、3日目からやや回復したももの左耳の聞こえは5月の始めと変わらない状況でした。最後の砦と思ったゾビラックスもだめだったか、もう一生直らないんだとがっかりしていたところ、10日目の朝から耳鳴りが消え、今日11日目も完全に聞こえが戻っています。まだ、聴力検査はしていませんが、まったく不自由を感じません(ちゃんと聞こえているんです!!)。

 また、再発するかもしれませんが、きっとこのまま直るような気がするのです。これも七戸先生のおかげです。どうもありがとうございました。また、何かあればメールさせていただきます。では失礼します。☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆  

アシクロビルに感受性のあるウイルスの種類と症状



[効果がなかった症例]

K.N. 64歳 女性

 昭和60年4月、回転性めまい出現、某大学耳鼻科に通院していたが年2回発作を繰り返していた。発作はほぼ三カ月続き首が重い、目が重い等の症状がある。甲状線機能低下症(橋本病)も併発している。平成6年6月抗生物質を内耳に入れる治療を2回する。めまいの為のブロックを頚部に40回行う。針灸も1カ月行う、神経内科にも通院している。この患者さんは10日間投与するも、全く効果が無かったと激しい抗議の電話がくる。



K.O. 44歳 男性


 昭和62年5月頭が後ろにひっぱられる感じあり1カ月間入院、軽快。平成4年夏某大学耳鼻科でメニエールではなく耳が悪いだけと言われる、左耳がガリガリする。しばしば休むため職場を3回変える。平成5年5月某大学耳鼻科で内耳ブロックを行い”めまい”は大方止まる。その間CT、MRI、異常無し。ゾビラックス2週間投与するも、耳のガリガリが止まらず効果なしと判定する。

 その他一般に聴力が極端に落ちていて“めまい”症状の少ない方は効果不明または効果無しが多い。


 戻る

[抗ウイルス剤による治療例]
inserted by FC2 system